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| 平成23年3月号 | ||||||||
| 心に響く道徳の授業をめざして たつの市立半田小学校教諭 大西 希巳代さん | ||||||||
先人の生き方を道徳の授業に取り入れる目的は 郷土の人々の生き方を知り、さまざまな取り組みを学ぶことで、子どもたちに生きる勇気と夢を持ってほしいと思いました。また、故郷の良さを実感し、これから先の人生で行き詰まった際にも、故郷のやさしさ、温かさが心の支えになれば、そして生きる指針になればと考えました。題材としては、水害と闘い地域の生活を改善させるために努力した人々を取り上げたものや、「揖保の糸」の開発など社会の発展に貢献した人の伝記や逸話を内容とするものを扱いました。 具体的にはどのような準備を 一例として、水害で苦しんだ半田村の人々の闘いの歴史を調べました。太古の昔から揖保川は「暴れ川」と呼ばれ、村は何度も洪水の被害にさらされてきたのですが、村人たちは一致団結して水害から村を守ってきました。その史実を確認するために半田村史や揖保川町史など関連する文献をすべて読んだり、職場の同僚や自治会長さん、教育委員会への聞き取りを行ったりしました。さらに、それらの知識をたよりに、デジカメを持って現地調査に出ます。水害にまつわる石碑や井堰、墓などを巡りながら、地元のおじいさんおばあさんの話を聞いたりもしました。 主に土・日曜にこのような準備を続け、3〜4カ月かけて児童たちにわかりやすく伝える教材を作りました。 授業で児童に伝えたかったことは 一つは、困難な災害にも負けずに心を合わせてたくましく生き抜いてきた村人の生き様。収入のすべてを田畑に頼っていた時代ですから、年寄りも女の人も子どももみんな総出で、つぶれた田畑や井堰を改修していったそうです。もう一つは「次の世代の子どもたちが豊かに幸せに暮らせる町を」という願いが受け継がれ、今も水害に負けない町づくりが行われているということですね。 児童の反応は 主人公の心の葛藤場面では、「洪水でもう死にたくないから、井堰を作ろうとしたんだろう」「家族のために力を合わせようと考えたはず」という意見が多かった反面、「ぼくならどうせ作ってもまた流されるんとちがうかと思ってしまう」「家の中もめちゃくちゃやのに、土手を作る余裕なんかない」といった本音も出て、村人たちの心を深く考えることができました。その後「昔は田んぼを作ってみんな暮らしてた。洪水で米が収穫できなくなったら生きていけなかった」「だから、洪水に負けない村を作る。田畑を守り、未来の子どもに苦労をかけたくないという気持ちやったと思う」といった話し合いができ、最終的に「悲惨な状況の中、半田の人はみんなで励まし合って乗り越えてきた。そして、今がある」という「気づき」にたどり着きました。 理想の道徳の授業とは 道徳では、心が育ったか、判断力や実践力が身についているかどうかがなかなかはっきりとした形では見えてきません。けれども、さまざまな人間の生き様にふれた子どもたちは、いつか人生の岐路に立ち思い悩んだとしても、先人たちの生き方を参考に正しい判断を下すと期待しています。今後も児童の心に響く教材を開発し、それを基にしっかり話し合い、ともに考えたいと思っています。 |
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