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茶杓作りひとすじに 長谷川南風さん (姫路市)
(2007年2月号に掲載)
長谷川さんと茶杓との出合いは40代前半の会社員時代。会社の茶道同好会に冷やかし程度に出席するうちに、道具拝見で茶杓を手にし、その姿や色つやに魅せられ、自分の手で作ってみようと思い立った。
まずは材料の竹を探すことから始まる。最高の素材は旧家のわら屋根の上に百年以上眠っていて、囲炉裏の煙などでいぶされたすす竹。その竹を見ながらどんな茶杓にするか思い描く。輪切りにした後、持ち手の決まりがいい幅や長さになるよう切り出しナイフで削っていき、楷先(茶杓の先端に続く部分)をアルコールランプであぶって微妙な角度に曲げていく。この曲げの部分(ため)と、重心が中央にあってお茶入れの上に置いた際に安定するように作る点が最も難しいとのこと。
最初の5年ほどは我流でやっていたが、やがて人生の師ともいうべき仏師、故堀内洸雲さんに出会い、宍粟市千種町の寺で月に1度教えを請うようになった。「先生は仏像彫刻、陶芸、絵画、何でもおできになる方でしたが、私は物を作る技術よりも、精神的なことを多く学んだ気がします。『人間は裸のままで生まれてきたんだから、裸で死ぬ気でいれば何もいらない』と、物欲から抜け出る機縁を与えて頂きました」。
20年余り作り続けてきた今も失敗作の方が多いと語る。「なかなか自分の思い通りの作はできません。それだけに会心の作ができた時の喜びは言いようもありませんが、先生からは良くできた作品ほど早く他人の手に渡すように言われました。自分の手元に置いておくと、それを見本に作ってしまいますから、それ以上の作は生まれないということなんです」。
これまでに、各地の寺院の住職より銘を拝受したさまざまな茶杓を製作。「自分が込めた思いと一致した銘が返ってきた時が一番うれしいですね」。
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