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 〜SUNSUNあさひは文化の素晴らしさを再発見します〜
歴史の専門家の解説を聞きながら、播磨各地の寺院や仏像を読者と訪ねます
 
 第1回 書写山円教寺   第2回 鶴林寺   第3回 斑鳩寺   第4回 浄土寺   第5回 太山寺   第6回 瑠璃寺
 第7回 弥勒寺   第8回 伽耶院   第9回 西林寺   第10回 安海寺   第11回 満願寺   第12回 浄運寺
 
第12回 浄運寺(たつの市)
 
 室津は古くから「室の泊」と呼ばれ、参勤交代の大名船でにぎわいました。その名残で、現在も本陣や豪商の跡があります。浄土宗の開基・法然上人が四国に流された時、潮待ちで立ち寄ったのが浄運寺です。この寺には、室津の栄華を伝える、金色に輝く阿弥陀如来立像のほか、法然上人、遊女友君、お夏といったゆかりの像が逸話とともに残っています。
● 案内人●
県立歴史博物館 学芸課長   
         神戸 佳文さん
あまたの伝説が残る寺
 
 ▲本堂で住職の話を聞く参加者の皆さん
 
▲法然上人坐像
 本堂の中心にある宮殿に、美しい金箔が施された「阿弥陀如来」が立っていた。切れ長の目と鼻筋の通った端正な顔のつくり。おなかはやや出ていてどっしりと安定感がある。銘文はないが、鎌倉時代の名仏師、快慶かその一派の作品であることは間違いないという。

 全身の金箔は江戸時代の修理の時に塗り直したもの。この寺は、当時6軒あった本陣の内、4軒が檀家で大いに栄えたそうだ。阿弥陀如来の右側に立つ「観音菩薩」は、亡くなった人の魂を載せる蓮の台を持っていた形跡がある。左側の「勢至菩薩」は冥福を祈り合掌している。脇侍は2体とも少し腰をかがめ亡くなった人を敬う姿を表している。参加者から「この阿弥陀さまの顔を見たら安らかに往生できそうな気がします」「勢至菩薩さまのやさしい表情が心を鎮めてくれました」と感想があった。

 右側の脇壇に「法然上人坐像」があった。この像は頭部が木造、体部が粘土でできた珍しい像だ。住職の大林敬正さんによると、法然上人がこの寺に立ち寄った時、世をはかなんでいた遊女友君を出家に導いたそうだ。この像は法然上人が水に顔を映して首から上を作り、出家した友君が、線香の灰を練った粘土で体を作った二人の合作と伝わる。昔の遊女は「遊女」といって、船で室津に入ってくる高貴な人の旅の疲れを歌や舞でねぎらうのが仕事で、相応の教養が必要だった。平安時代の書物によると、友君は決して、歌や舞のお礼を受け取らなかったそうだ。寺には、法然上人が友君に贈った直筆の教訓の歌「かり染めのお詩御色紙」や袈裟も残っている。また、
▲お夏の形見の木像
山門前には播磨灘を背景に友君の墓が立ち、墓の横の階段を下った所には、飲み水に困っている室津の人々のために、法然上人が海辺の貝で掘ったという言い伝えが残る淡水の井戸もある。

 「お夏の形見の木像」も伝わる。高さ30pほどの小さなこの像は、着物に戒名が彫ってある。姫路に伝わる「お夏と清十郎」の物語。身分違いの恋の結末は、室津では次のようにも伝わる。清十郎が冤罪で処刑されたことを知らないお夏は、彼を探して実家がある室津まで来たが見つからない。悲しみのあまり室津の海に身を投げた。その亡骸を引き揚げてこの寺で弔ったそうだ。せめて極楽浄土では恋愛成就を願い、帰依ある人が像を作ったが、世間が納得しないから、像に刃物を入れるという常識外のことをして祀ったとされる。


 


参加者の感想
●地元なので友君もお夏も知っていましたが、詳しくは知らないものですね。室津の有名なものを聞かれ「遊女発祥の地」だと話すと珍しがられていましたが、遊女の本当の意味は今日知りました。たつの市・渕瀬俊文さん(63歳)
●この辺りを回っていると屋根が付いた立派な墓が並んでいて、昔は金持ちが多かったんかなと思っていたら、住職の栄枯盛衰の話があり納得しました。三尊像は快慶一派の作だと聞いた。快慶=国宝クラスのイメージがあったが、それ以外のものもあるんやね。確かに立派でした。  高砂市・福本明夫さん(70歳)
●住職の言葉で「ほどほどが良い」ということを聞き、背伸びをせず、身の程をわきまえて、自分にあったことをしていかなければいけないなと改めて思いました。姫路市・熊野美和子さん(57歳)
    
 あみだにょらいりゅうぞう
阿弥陀如来立像 
 制作年:鎌倉時代前期
 作者:快慶一派の仏師 
 像高:78.8cm 
 安置:本堂
 拝観:通常拝観可能



 面長できりっとした精悍な顔立ち。彫りが深く流れるような衣の表現などは、快慶の作風をよく示している。その作風を「安阿弥様」という。三尺(約90cm)前後の阿弥陀如来像なので「三尺阿弥陀」と呼ぶ。右手を上げ左手は下げて来迎印を結び、左足を少し前に出して立つ。ヒノキの寄木造り。




●DATA●
浄運寺
たつの市御津町室津168
079(324)0030
拝観料:300円










































 
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